小学校 高学年の部

 自然たちのドラマ
	           南国市立久礼田小学校
               六年 高 橋 ここあ 

 三年生の頃。私が写した一枚の写真が新聞にのりました。学校の校門に立つ一本の木の写真で、私達はその木をおばあちゃんの木と呼んでいます。とても大きくて温かいふんいきで、私はその木が大好きです。
 ある日、その記事を見てくれたおばあさんが学校にたずねて来てくれました。何か病気をかかえていて、写真で見たおばあちゃんの木に会いたくなったと言います。その人はしばらくの間、手を合わせておばあちゃんの木をじっと見つめています。その光景はまるで、その人と木が会話をしている様でした。
 ちょうどその頃、妹が保育園で森は生きているという歌を習っていて、家に帰るとよく口ずさんでいました。
 「森と空を私は見た。生きているものたちの笑う声 話す言葉」
 この歌詞の部分が私は大好きです。ふだん何気なく見ている木や空、雲に至るまでみんな命があって、気持ちもある。言葉を話す人間だけに感情があると思っているから自然を大切にしない。それはとても悲しいことです。
 木々の中には姿を変えて、私達の生活によりそってくれるものもあります。家の柱や紙、おはしなど、新しい命となって私達の暮らしを支えてくれます。決してすぐに使い捨てない様、愛情を持って使っていかなければなりません。お金で買えば、次の新しい物が手に入る。そんな考えこそ捨てなければいけません。それが、自然や動物、全ての命を大切にする事につながっていくと思います。
 一見、緑一色に見える山や森にも、たくさんの草木が暮らしていて、それぞれに色々なドラマがあるのかもしれません。必要以上の開発や木のばっ採で起こる山崩れやこう水は自然達の涙なのかもしれません。もっと自然の声に耳をすませよう。私はその事をおばあちゃんの木から教えてもらった気がします。