小学校の部  高学年

  わらびセンサー発令中

            高知市立久重小学校

                 五年 武 林 青 星
 
  「お母さんわらび、採りに行くで。」
 春になると、家のうら山に登ってわらびを採るのが私の楽しみになっている。採ったわらびは、おけに塩漬けにして長期保存する。雨がたくさんふった後は、わらびがグッと伸びて先の方がほくほくとなっている。また、草の中にかくれているわらびは、太っていてやわらかく、折るとポキッと気持ち良い音が鳴る。
 わらびは、冬の間土の中で元気パワーをたくわえて春にそなえる。そして、日に日に気温があたたかくなるとあたり一面わらびだらけになる。私にはわらびセンサーがついているのでわらびをふまずに進むことができる。出てきたばかりの赤ちゃんわらびも、見のがさない!
 「ほしちゃん、そこのわらびのびちゅうで。」
母が言ったわらびに手をのばしてつかんでみると、
「お母さん、もうちょっとのばしたほうが、いいんじゃない。」
長さは、指が覚えている。私のこしにまいているかごをのぞいて母が、
「上手にわらびとっちゅうね。どっさりある。」
「ほしに見つけてほしいがよえ。」
やっぱり私のわらびセンサーはピンとはっている。
 昔から山でくらす人たちはこうして山のめぐみをもらって生活してきたようだ。私は地いきの方に保存食について教えてもらった。春とれた物をくさらないように長く置く方法。私はこのような昔の人のちえをもっと習って人に伝えたい。
 私は、久重地いきをおばあちゃんや姉といっしょに散歩するのが大好きである。いろいろな植物に出会えるし、夜には川でホタルが見えるし、その自然いっぱいの久重の里山を大切にしていきたい。